2020年8月3日月曜日

小田原寺子屋スクール 閉校記念式典中止&メールアドレス停止のお知らせ

 延期しておりました小田原寺子屋スクールの閉校記念式典は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を考慮し中止することといたしました。また、閉校に伴い、下記メールアドレスを停止いたしますので、ご理解の程、よろしくお願いいたします。
 info@terakoya-odawara.com

2020年3月1日日曜日

小田原寺子屋スクール 閉校記念式典延期のお知らせ

 令和2年3月8日(日)に開催予定の閉校記念式典(最後の授業、閉校式、閉校の集い)は、新型コロナウィルスの影響により延期いたします。開催日程は、別途ご案内いたします。

2020年2月14日金曜日

小田原寺子屋スクール 閉校のお知らせ

 小田原寺子屋スクールは、令和2年3月8日の授業をもって閉校することになりました。同日、下記の通り、閉校式ならびに閉校の集いを開催いたします。

小田原寺子屋スクール閉校記念式典のお知らせ

1.開催日 令和2年3月8日(日) 10:00~14:00
2.日程
(1)最後の授業 10:00~11:45 場所:風間会館
   受講生受付  9:00 ~
   ①論語       10:00~10:45 講師:栗田亘 先生
   ②今を全力で生きる 11:00~11:45 講師:石塚正孝 理事長
(2)閉校式   11:45~12:00 場所:風間会館
   ①開式のことば ②理事長挨拶 ③栗田先生の挨拶 ④スクール生のことば ⑤閉式のことば
(3)閉校の集い 12:30~14:00 場所:本應寺
   受付 12:00 ~ 12:30
   ①開会のことば ②理事長挨拶 ③先生代表の挨拶 ④会食 ⑤閉会のことば

2020年2月13日木曜日

小田原寺子屋スクール 令和2年2月度の授業

令和2年2月9日(日)に2月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月も『論語』について勉強しました。『論語』は二十章から成り、各章は「学而第一」「為政第二」のように、2字か3字の漢字と章の順番で表されます。今月は第二章の中から有名な2つのことばを学びました。
 「子曰く、学びて思わざれば則ち罔く、思いて学ばざれば則ち殆し。」は、知識がいくらあっても、その知識をヒントにして自分で深くものごとを考え、その考えを発展させなければ意味がない。逆に、自分勝手な狭い考えだけに頼るのも危険だ、という意味です。東洋史学者の宮崎市定さんは、「教育とは現在の水準まで後生を引き上げてやる手伝いをすること(中略)、独自の力でやろうとすれば、大きな時間と精力のロスに陥る危険がある」と説いています。また「おもう」という言葉は、現在では「思う」と書かれるのが一般的ですが、他にも「想う」「惟う」「憶う」「懐う」「念う」の漢字表現があること、学びを発展させることの面白さ、大切さを教えていただきました。
 「子曰く、故きを温ねて新しきを知る。以って師と為るべし。」は、昔のこと、歴史を研究して、そこから新しい知識や考え方を見つけ出す。新しい知識や考え方を見つけ出してこそ、人の教師となれる。人に教えられるほどの人物は、そうでなくてはならない、という意味です。四字熟語の「温故知新」です。
 授業では、これら2つのことばについて、作家の高橋源一郎さんの訳も解説していただきました。

【第二時限】伏見勝先生(元報知新聞会長)

 伏見先生の授業は今回が6回目になります。これまでの授業を総括して、何かおかしくなっている今の世の中に警鐘を鳴らし、生徒たちに「こんな大人になってほしい」という思いを話していただきました。
 卑しいことをして問題を起こす政治家や企業の経営者が後を絶ちません。権力があれば、偉くなれば、何をやってもいいということではありません。2018年に東京都目黒区で5歳の女の子が親から虐待を受けて亡くなりました。女の子はノートに「もっとあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」と書いていました。昨年、千葉県野田市でも小学4年生の女の子が虐待死する事件が起きました。強い者が弱い者をいじめる、これは卑怯者のすることです。
 かつて、日本にも広田弘毅や田中正造のような立派な政治家がいました。国民のために命を張る、体を張ることのできる人が真の政治家です。
 伏見先生は、生徒たちに「心のさもしい大人、弱い者いじめするような卑怯な大人にならないで欲しい。約束を守る人、他人を思いやる人になって欲しい」とおっしゃっています。また、授業では多くの本を紹介していただき、読書による情操教育の大切さを学びました。


 次回3月度の授業は、3月8日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は石塚正孝先生(小田原寺子屋スクール理事長)をお招きします。石塚先生の講義タイトルは『今を全力で生きる』です。

2020年1月15日水曜日

小田原寺子屋スクール 令和2年1月度の授業

令和2年1月12日(日)に1月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 授業の最初に、朝日新聞の朝刊のコラム「折々のことば」に掲載された『論語』のことば「子曰、過而不改、是謂過矣」について学びました。人はよく過つ不完全な存在。人の評価はむしろ過ちと知った後の身の処し方で決まる。そこをこそ過つな、という教えです。『論語』は2千数百年も昔からあり、現在もこうして取り上げられているという意味で、歴史的なベストセラーなのです。
 今月は、これまでに学んだ『論語』のことばの中から、「子曰く、学んで時に之を習う。亦た悦ばしからずや。朋あり、遠方より来る。亦た楽しからずや。人知らずして慍(いきど)おらず。亦た君子ならずや。」の解釈について、作家の高橋源一郎さんが著書「一億三千万人のための『論語』教室」に書いていることを学びました。最初の「学んで時に之を習う」はただ勉強するんじゃない「(弟子たちが集まり)温習会をひらく」ことなんだそうです。学校にみんなが集まって、センセイの前であれやこれや議論する、そういうのが楽しい。友だちが来ると楽しい。ひきこもりはいかんよ、といっているわけです。でも、他人と出会ったりすると、今度はその人が自分をどう思っているか、それが気になる。ほんとに人間は不便な生きものです。基本は、みんなと楽しく、でも他人の目は気にするな、と。
 授業の最後に、栗田先生は「のびのびとした姿勢で文章を読み、噛みしめる。意味を考える。自分のやり方でよい。それが大事なのです。」とおっしゃっていました。

【第二時限】風間亨先生(風間豆富店会長)

 風間先生は、終戦直後の貧しい時代に幼少期を小田原で過ごされ、地元の小・中・高校を卒業後、大学、約10年間のサラリーマン時代を経て、37歳のときに豆腐業界に転職されました。風間豆富店を立ち上げ、現在は会長としてご活躍中です。
 授業では、ご両親をはじめ、これまでに出会った方々からの、人生の節目で心に響いた言葉を紹介していただきました。中でも、大学のゼミの先生の言葉「艱難は忍耐を生み、忍耐は練達を生み、練達は希望を生む」は、特に印象に残っているそうです。
 昨今の少子高齢化、情報化、流通革命を背景に、小売業界は厳しい時代を迎えています。各家庭には冷蔵庫があり、スーパーができ、ネット販売が盛んになった結果、八百屋、魚屋など、近所のお店は姿を消し、毎年約4万件の小売業等が廃業または倒産しています。かつて全国で約5万軒あった豆腐店は現在7千軒ほどに減少しました。そんな中、先生は、利便性だけを追いかけていくと、最終的には消費者自身が困ることになる、とおっしゃっています。
 授業の最後に、豆腐の製法について解説していただき、これからの時代を生きる若い人達にメッセージをいただきました。
 ・理屈ではなく体験して欲しい。良いセンスを磨いて欲しい。
 ・読書を通じて、忍耐強く考えるようになって欲しい。
 ・倫理観、道徳観を持って欲しい。
 ・心身ともにタフであって欲しい。


 次回2月度の授業は、2月9日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は伏見勝先生(元報知新聞会長)をお招きします。伏見先生の講義タイトルは「こんな大人になってほしい」です。
 

2020年1月8日水曜日

小田原寺子屋スクール 令和元年12月度の授業

令和元年12月15日(日)に12月度の授業を行いました。

【第一時限】北岡和義先生(元日大教授、アメリカ在住27年)

 北岡先生は、読売新聞の記者、横路孝弘衆議院議員秘書を経て1979年に渡米し、在米邦字紙の編集部長、2006年に帰国後、日本大学教授を務められ、現在フリージャーナリストとして活躍されています。授業では「なぜ、アメリカをめざしたのか」と題して、戦後史の体験的歴史観について解説していただきました。
 渡米の動機は憧れではなく好奇心で、多くの人々が世界中から集まるアメリカの多文化や多様な価値観をリアルに知りたいと思われたそうです。日本人にとっては価値のなさそうなものがアメリカ人にはとても価値あるものだったりします。日本人は日本の価値観で世界を見ています。歴史認識も同様です。韓国人なら誰もが知っている閔妃事件(李氏朝鮮の第26代王妃が日本人によって暗殺された事件)は、日本ではほとんど知られていません。伊藤博文が朝鮮人によって暗殺されたことは有名ですが。「トルーマンは正しかった」という原爆投下に対するアメリカ人の認識は、オバマ大統領の行動によって変わりました。
 アメリカのコインには「LIBERTY(自由)、IN GOD WE TRUST(神の御元に)、E PLURIBUS UNUM(多様性の統一)」という言葉が刻まれています。北岡先生は、生徒たちへ「これからの激動の時代を生きて行く上で、多様な価値観を認め合い、幸せになれる社会を目指して欲しい」とおっしゃっていました。


【第二時限】竹中透先生(本田技術研究所 主席研究員・工学博士)

 竹中先生は、ロボットベンチャー会社を経て本田技術研究所に入社され、1986年以来、30年以上にわたりロボットの研究開発に取り組んでこられました。授業では「ASIMOの歩行のしくみ」と題して、開発の過程と技術の進化について解説していただきました。
 1987年に開発した最初のモデルE0は1歩動かすのに30秒かかっていました。その後、研究開始から4年後の1990年に体の勢いを利用した動歩行を実現し、E3モデルで歩行速度3km/hを達成しました。最大の課題であった安定歩行は、足底にゴムを入れて路面の凹凸を吸収し、ゴムによる座りの悪さを、足首を曲げてバランスをとることで克服しました。人間的な制御を追求し、1991年のE4モデルでは高速歩行、2000年には自在歩行を実現しました。新型ASIMOは9km/hで走行し、片足ケンケンでターンすることや両足でジャンプすることができます。ASIMOの技術は、リハビリ用の歩行アシスト装置やハンズフリーで移動することができるUNI-CUB(一輪歩行装置)に活かされています。
 今後は、共に働き、遊び、学ぶことで人間をより活き活きと創造的にするようなロボット、人の生活の中で活躍する「柔らかい」ロボットを開発したいとおっしゃっていました。


 次回1月度の授業は、1月12日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は風間亨先生(風間豆腐店会長)をお招きします。風間先生の講義タイトルは「人生の節目で心に響いた言葉、そして今の仕事」です。

2019年11月13日水曜日

小田原寺子屋スクール 令和元年11月度の授業

令和元年11月10日(日)に11月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は、ラグビーワールドカップで有名になった日本代表の合言葉「ワンチーム」や「戦い」に関係する、中国の古典『孫子』の中の言葉を3つ学びました。『孫子』は、紀元前500年頃の武将で軍事研究者である孫武が書いたと伝えられる兵法書で、武田信玄や吉田松陰、ナポレオンも愛読したそうです。

◆善く戦う者は、これを勢いに求めて、人に責(もと)めず、ゆえによく人を択びて勢いに任ぜしむ。意味は「すぐれたリーダーは一人の力に期待しすぎない。チーム全体に勢いをつけることに努力する。」です。

◆善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ。意味は「まずは相手のことより、自分のこと。負けないための準備をしっかりしよう。」です。

◆越人と呉人の相い悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)りて風に遇う当たりては、相い救うこと左右の手の如し。意味は「仲が悪いメンバーも、納得できる共通の目的があれば、助け合って努力することになるよ。チームワークによって目的は達成できるんだ。」です。

まさに、ラグビーワールドカップで身近に感じることができた、現代に生きる言葉です。

【第二時限】金田新先生(元トヨタ自動車専務 元NHK専務理事放送総局長)

 金田先生は、トヨタ自動車でカナダに4年間、その後、同社広報の責任者を務められ、自動車の外国貿易の仕事に携わられました。授業では「自動車はどこまで進化するか?進化しなければいけないか」と題して、自動車の進化の歴史と今後について解説していただきました。
 20世紀の自動車産業は3回事業進化しました。最初が「規模の事業」で1908年のフォードモデルTの時代です。19世紀末のジョブショップ生産から大量生産、流れ生産へと進化しました。第二は「マーケティング事業」で、1925年にGMがクローズドボディ、モデルチェンジで台頭し、フォードを凌駕します。第三は「グローバルマーケティング事業」で世界市場が成立し、トヨタが生産の平準化、トヨタ生産方式、高い品質管理、効率輸送で「進化を遂げました。」そして、21世紀の自動車産業界には、グーグルや中国、インドなどのメーカが新規参入してきています。
 今後は、①みなさんの夢、技術がすべて解決するという信念、②実現策、解決策としての技術の進化、③次の進化を担う人、組織が大切です、と金田先生はおっしゃっています。


 次回12月度の授業は、12月15日(日)(第3日曜日)を予定しています。第一時限は10月度に予定していた北岡和義先生(元日大教授、アメリカ在住27年)、第二時限は竹中透先生(本田技術研究所 主席研究員・工学博士)をお招きします。竹中先生の講義タイトルは「ASIMOとその技術の応用」です。