2019年11月13日水曜日

小田原寺子屋スクール 令和元年11月度の授業

令和元年11月10日(日)に11月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は、ラグビーワールドカップで有名になった日本代表の合言葉「ワンチーム」や「戦い」に関係する、中国の古典『孫子』の中の言葉を3つ学びました。『孫子』は、紀元前500年頃の武将で軍事研究者である孫武が書いたと伝えられる兵法書で、武田信玄や吉田松陰、ナポレオンも愛読したそうです。

◆善く戦う者は、これを勢いに求めて、人に責(もと)めず、ゆえによく人を択びて勢いに任ぜしむ。意味は「すぐれたリーダーは一人の力に期待しすぎない。チーム全体に勢いをつけることに努力する。」です。

◆善く戦う者は、先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ。意味は「まずは相手のことより、自分のこと。負けないための準備をしっかりしよう。」です。

◆越人と呉人の相い悪(にく)むも、その舟を同じくして済(わた)りて風に遇う当たりては、相い救うこと左右の手の如し。意味は「仲が悪いメンバーも、納得できる共通の目的があれば、助け合って努力することになるよ。チームワークによって目的は達成できるんだ。」です。

まさに、ラグビーワールドカップで身近に感じることができた、現代に生きる言葉です。

【第二時限】金田新先生(元トヨタ自動車専務 元NHK専務理事放送総局長)

 金田先生は、トヨタ自動車でカナダに4年間、その後、同社広報の責任者を務められ、自動車の外国貿易の仕事に携わられました。授業では「自動車はどこまで進化するか?進化しなければいけないか」と題して、自動車の進化の歴史と今後について解説していただきました。
 20世紀の自動車産業は3回事業進化しました。最初が「規模の事業」で1908年のフォードモデルTの時代です。19世紀末のジョブショップ生産から大量生産、流れ生産へと進化しました。第二は「マーケティング事業」で、1925年にGMがクローズドボディ、モデルチェンジで台頭し、フォードを凌駕します。第三は「グローバルマーケティング事業」で世界市場が成立し、トヨタが生産の平準化、トヨタ生産方式、高い品質管理、効率輸送で「進化を遂げました。」そして、21世紀の自動車産業界には、グーグルや中国、インドなどのメーカが新規参入してきています。
 今後は、①みなさんの夢、技術がすべて解決するという信念、②実現策、解決策としての技術の進化、③次の進化を担う人、組織が大切です、と金田先生はおっしゃっています。


 次回12月度の授業は、12月15日(日)(第3日曜日)を予定しています。第一時限は10月度に予定していた北岡和義先生(元日大教授、アメリカ在住27年)、第二時限は竹中透先生(本田技術研究所 主席研究員・工学博士)をお招きします。竹中先生の講義タイトルは「ASIMOとその技術の応用」です。

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