2019年4月17日水曜日

小田原寺子屋スクール 平成31年4月度の授業

 第十期がスタートしました。平成31年4月14日(日)に第1回目の4月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は、授業のはじめに、日本最古の歌集で新元号「令和」の典拠である『万葉集』について解説して頂きました。『万葉集』には、舒明天皇の時代から淳仁天皇の時代まで約130年の間の長歌、短歌、旋頭歌(せどうか)など合わせて約4500首と漢文で書かれた詩、手紙などが収められています。旋頭歌とは、五七七・五七七の六句を定型とする歌です。『万葉集』は飛鳥時代、奈良時代のもので、すべて漢字で書かれています。ひらがな、カタカナは、その後の平安時代になって漢字をもとに作られました。
 授業後半では、『論語』の中から「巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すくな)し仁」ということばを学びました。意味は「お世辞たらたら、顔はニコニコには気をつけなさい。愛想のよいのはうわべだけ、本当はそんな気持ちはないのだよ。」です。「巧言」は、本当はそう思っていないのに口先だけで上手に言うことです。「令」は「善い」という意味で「色」は顔色です。「令色」は相手に気に入られようとして顔色を作ることです。「仁」はおもいやりやいつくしみ、「鮮し」は「少なし」と同じ意味です。単に「巧言令色」という場合も「鮮し仁」の意味を含んでいます。

【第二時限】鈴木款先生(フジテレビ解説委員)

 鈴木先生は、フジテレビの「報道2001」のディレクター、NY支局長、経済部長を経て、現在、解説委員として活躍されています。フジテレビに入社されたのは、1991年の湾岸戦争で戦地バグダッドに残って取材を続けたアメリカ人記者、バーナード・ショーに感銘を受けたことがきっかけだそうです。
 授業では「ネット時代のテレビの役割」と題し、ネットがもたらした情報収集スタイルやメディア世界の変化、ニュースとは何か、誤報とフェイクニュース、記者とディレクターの違い、私たちがメディアと接していく上で大切なことについて解説して頂きました。
 近年、十代の若者を中心にネットの利用時間が増加する一方で、テレビの視聴時間や新聞の閲読時間は減少傾向にあります。また、SNSによって誰もが情報の送り手になることができる時代へと変化する中、人々が信頼できる情報を得るのに利用するメディアは、テレビが54%と最も多く、続いてネットと新聞が約20%という調査結果が出ています。今後、私たちがフェイクニュースや不正確な情報に惑わされないようにするためには、メディアが発信する情報を読み解く能力「メディアリテラシー」を高めることが大切です、ということを教えて頂きました。


 次回、5月度の授業は、5月12日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は関雅樹先生(元JR東海専務取締役 新幹線鉄道事業本部長)をお招きします。関先生の講義タイトルは、「新幹線鉄道における地震対策」です。