2018年4月15日日曜日

小田原寺子屋スクール 平成30年4月度の授業

第九期がスタートしました。平成30年4月8日(日)に第1回目となる4月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 先月に続き「墨子」の言葉を学びました。今月学んだ二つの言葉のうち「墨子曰く、大国に処りて小国を攻めず(以下略)」で始まる言葉は、「大国であっても小国を攻めない。大氏族(勢力の大きい集団)であっても小氏族(弱い集団)を略奪しない。強い者は弱い者を脅さない。貴族であっても身分の低い人を見下さない。ずる賢い者はバカ正直な者をだまさない。こうしたことが実現できれば、その国を率いる統治者は聖王(すぐれた徳をもち、りっぱな政治をする君主)と呼んでよい。」という意味です。先月学んだ「非攻」と、あらゆる人を敬愛し平等に扱うべきという「兼愛」の大切さを説いています。
 「王公大人、牛羊の財ありて(以下略)」で始まるもう一つの言葉では、王公大人(権力者)が縁故関係、財産、身分、容貌を重んじ、政治の根本が能力ある人材の登用にあることを忘れていると説いています。
 墨子は今から二千数百年前の人ですが、その教えは現代にそのまま通用すると言えます。

【第二時限】窪田哲夫先生(恵那市佐藤一斎「言志四録」普及特命大使・前拓殖大学客員教授)

 授業の冒頭で、人生とは人が活き活きと生きること、人の命には限りがあるが1日の時間は全ての人に平等に与えられていること、今を大切に生きることの大切さを教えて頂きました。
 今回の窪田先生の講義タイトルは、「西郷どん」が愛した佐藤一斎『言志四録』です。西郷隆盛は、かつて島流しにされた時、『言志四録』の1133条を熟読し、その中から101箇条を選んで自分だけの言志録『西郷南洲手抄言志録』を作りました。西郷隆盛の言葉「敬天愛人」は、天を敬い、人を愛するという意味で、自然を大切にする日本人の心を表した言葉、『言志四録』が心の支えとなり生まれた言葉と言えます。授業後半では、『西郷南洲手抄言志録』の中から、いくつかの言葉「志をたてよ、湧泉知るや、志をたてよ」「学は為せ、人に見せるな、臍(へそ)に置け」「静座から、真己をみつめ、自覚せよ」「誠意とは、照り輝く、太陽だ」を学び、『言志四録』について理解を深めました。
 また、以前に学んだ「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ。只だ一燈を頼め。」を皆で復唱しました。

 次回、5月度の授業は、5月13日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は和田正宏先生(はじめ塾塾長)をお招きします。和田先生の講義タイトルは、「はじめ塾子どもの育ち-3代85年の歴史を持つ寄宿生活塾の教え-」です。場所は、風間会館に変更となります