2017年1月14日土曜日

小田原寺子屋スクール 平成29年1月度の授業

平成29年1月8日(日)に1月度の授業を行いました。

【第一時限】窪田哲夫先生(拓殖大学客員教授)

 12月に引き続き佐藤一斎の授業です。佐藤一斎は岩村藩(岐阜県恵那市)の出身で、明治維新を成し遂げた佐久間象山、山田方谷、西郷隆盛、坂本竜馬、吉田松陰などそうそうたる志士に影響を与えた先生です。一斎の生まれた「美しき日本・恵那市岩村」の映像から、今でも恵那の人々が一斎の教えを家々の入り口に掲げて学んでいることを知りました。また「美しい日本・小田原」の映像から自然に恵まれた小田原、明治の偉人で吉田松陰の弟子でもある伊藤博文、山県有朋、経済人では大倉喜八郎、益田孝、文学者の北原白秋、谷崎純一郎などが愛した小田原であること。また、小田原の基礎を作った北条早雲の早雲寺殿廿一箇条は「心を素直に柔らかに持ち、正直かつ公正であらねばならない」という精神に貫かれていること。小田原には私たちが学ぶべきものがたくさんあることを教えていただきました。
 全員で、起立し姿勢を正し、左手を腰に当て、右足を一歩引いて、右手のこぶしを軽く握り、手前に引く時「よし」の掛け声を発するとともにこぶしに力を込める練習をしました。これを繰り返すと不思議と力が湧いてきます。迷ったときや弱気になった時これをやったら良いと教えていただきました。

 「士は当に(まさに)己に在る者を恃む(たのむ)べし。」
  →大事とは、己(おのれ)を恃み(たのみ)、創り出せ!
  →できないのではなく、しないだけのなのです
 「学者は、志 大にして 工夫は則ち(すなわち)皆小ならんことを要す」
  →大志を持ち、細事(さいじ)の工夫も弁え(わきまえ)よ
  →あきらめない限り、夢は必ず近づいてきます


【第二時限】河合忠彦先生(筑波大学名誉教授)

 河合先生からアメリカ企業と経済の復活や韓国企業と経済の追い上げにより、なぜ日本企業と経済が元気をなくしてしまったか、薄型テレビ・スマホの敗戦を切り口としてお話していただきました。アメリカ経済の仕組みは「大企業」「ベンチャー企業」「軍・政府」「大学・研究機関」この4者の相互連携システムが極めてうまく機能している。シリコンバレーはその典型であるが、日本の場合は大企業とその系列企業集団が経済システムの中心となっている。従って、研究・開発の対象も企業のコアビジネスに集中してしまって広がりに欠ける。ソニー、パナソニック、シャープに共通する敗因は一つはダイナミック戦略と基礎的戦略能力に欠け、さらにガラパコス化に見られるようにグローバルな視野・戦略も欠けていた。もう一つはコーポレート・ガバナンスの欠如、例えば業績を上げたトップの“天皇化”や退任後も影響力を行使するなどにより、環境の変化に対応し、戦略を変化させる柔軟性が欠けていた。
 これからの日本企業に期待することは(1)「シリコンバレー的仕組み」の導入(2)戦略の形成・実行能力の獲得―ダイナミック戦略の実現・基礎的戦略能力の獲得・グローバルな視野・戦略の獲得―(3)コーポレート・ガバナンスの実現―トップの任期制の確立― が求められる。
 最後に自分の興味を追求していくこと、創造性・革新性を追求していくこと、グローバルな視野を持つこと、そして国際社会も含めて社会に尽くすことが大切ということで結ばれました。


 次回、平成29年2月度の授業は、2月12日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は山口憲明先生(前コナミ副社長)をお招きします。山口先生の講義タイトルは「人生の転機と海外生活」です。

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