2016年12月25日日曜日

小田原寺子屋スクール 平成28年12月度の授業

平成28年12月18日(日)に12月度の授業を行いました。

【第一時限】窪田哲夫先生(拓殖大学客員教授)

 窪田先生は、現在、大学の先生、佐藤一斎を学び『言志四録』普及特命大使として活躍されています。授業の冒頭で「書に学び、人に学び、天地、自然に学ぶ」という言葉を教えて頂き、知新君という主人公が岐阜県恵那市の岩村を舞台に佐藤一斎というおじいさんから、勉強すること、学ぶことの大切さを知るというアニメを見せていただきました。人が勉強をするのは、大切な人を幸せにするため、誰かの役に立つため、という教えです。
 佐藤一斎の『言志四録』は1133条から成り、その中から「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ、只だ一燈を頼め」という言葉を学びました。人には誰にでもすばらしい叡智があり、それを信じて生きなさい、という意味で、全員で声を出して何度も復唱しました。岩村の小学生は、卒業までに『言志四録』にある100条の言葉を暗記するそうです。このほかにもたくさんの言葉を紹介、解説していただき、授業の最後のまとめでは「人間として生まれたからには、事を為すためにあり」という言葉を学びました。


【第二時限】石沢賢二先生(国立極地研究所 極地工学グループ)

 石沢先生は、東京都立川市にある国立極地研究所に勤務され、これまでに南極観測隊の越冬隊を5回、夏隊を2回経験されています。授業では、南極の歴史、地理、自然、観測基地や観測船、現地での生活に至るまで、120ページ以上にも及ぶスライドを用いて分かりやすく解説していただきました。1911年に初めて南極点に到達したノルウェーのアムンセン隊と、翌年約1か月遅れて南極点に到達したものの、帰路に全滅してしまったイギリスのスコット隊との違い、南極大陸の面積は日本の37倍もあり、最高峰は4892mで富士山よりも高いこと、観測船が後退・前進を繰り返して厚い氷に体当たりしながら進んでいくラミングという砕氷法のことなど、多くのことを学びました。
 先生から子供たちへ、すぐに投げ出してしまう”不まじめ”や、何でも言われた通りにする”まじめ”ではなく、行き詰まったら別のやり方を考える”非まじめ”のススメをメッセージとしていただきました。また、人間の力は自然にかなわない、草木があって小川が流れる普通の自然はすばらしい、家族と暮らせるありがたさ、をこれまでの南極体験から感じられているそうです。授業の最後に、南極で採取された貴重な氷を見せていただきました。


 次回、平成29年1月度の授業は、1月8日(日)を予定してします。第一時限は、窪田哲夫先生(拓殖大学客員教授)で12月度に引き続き『言志四録』について講義して頂きます。第二時限は河合忠彦先生(筑波大学名誉教授)で講義タイトルは「薄型テレビ戦争においてソニー、パナソニック、シャープはなぜ敗れたのか」です。

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