2016年5月13日金曜日

小田原寺子屋スクール 平成28年5月度の授業

平成28年5月8日(日)に5月度の授業を行いました。

【第一時限】 栗田亘先生

 今月は、『韓非子(かんぴし)』から、「矛盾」について学びました。
 『韓非子』は、紀元前3世紀ごろの中国の人、韓非とその弟子たちが考えたことを、それよりも後の時代の人が紀元前2世紀ごろにまとめた本です。私たちが日常使っている「矛盾」という言葉の背景には、法律や賞罰を中心とする政治を説いた韓非の主張があることや、孔子(紀元前5世紀ごろの人)が広めた道徳中心の政治に対する批判が込められていることを教えていただきました。
 現在の世の中にも「石の上にも三年。思い立ったが吉日。」「好きこそものの上手なれ。下手の横好き。」など、矛盾していることばがあり、例を挙げて分かりやすく解説していただきました。

【第二時限】 北村龍行先生(元毎日新聞論説委員)

 北村先生は、小田原のご出身で、毎日新聞の論説委員を務められ、雑誌『エコノミスト』の編集に長年にわたり携わられました。
 授業の前半では、新聞記事の無署名の原則と記事が掲載されるまでの過程、雑誌の原稿との違いについて解説していただきました。新聞記者の役割が、近年、インターネットの普及により変化してきていることや担当(記者クラブ)が1~1.5年で変わるためにプロになることが難しいことも教えていただきました。後半では、バブル経済が1985年ニューヨーク、プラザホテルでの5か国合意をきっかっけとしてどのように拡大し崩壊していったか、この間多くの大企業が倒産し、学歴中心の考え方を見直す時代になっていることを解説していただきました。
 最後に、何を始めるにしても遅すぎることはない、好奇心を持って新しい知識を身に付けていってほしい、という2つのメッセージで結ばれました。


 次回、6月度の授業は、6月12日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は黒岩先生(神奈川県知事)をお招きして行います。

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