2018年5月28日月曜日

小田原寺子屋スクール 平成30年5月度の授業

平成30年5月13日(日)に5月度の授業を行いました。

【第一時限】栗田亘先生

 今月は荀子について学びました。荀子は、孔子を創始者とする「儒教」を学んだ紀元前3世紀の思想家です。『論語』や『孟子』は、孔子や孟子の弟子たちがまとめたものですが、『荀子』はそのほとんどを荀子本人が書いています。授業では『荀子』から4つの言葉を学びました。そのうちの2つを紹介します。

 ◆青は、これを藍より取りて、しかも藍より青し。氷は、水これをなして、しかも水より寒し。

 青い色は、藍という草からつくりだすが、藍よりも青い。氷は水からできるが、水より冷たい。という意味です。この言葉から生まれた「出藍の誉れ」というフレーズは、弟子が先生の学識や技量を超え、先生を追い越すことを意味します。

 ◆人は博く学びて日に己を参省せばすなわち知は明らかにして行い過ちなし。

 参省は三回省みることです。人間も毎日反省を繰り返して学問に励むなら、英知が増して、まちがった行いをしなくなる、という意味です。色々なことを勉強し、経験を積み重ねていくと、学問も人生も、とても幅が広く奥が深いものだと分かってきます。
 荀子は、これらの言葉を通して「学ぶことの大切さ」を説いています。

【第二時限】和田正宏先生(はじめ塾 第三代塾長)

 和田先生は、85年の歴史を持ち、塾長のご家族と同じ屋根の下で生活する生活寄宿塾、はじめ塾の第三代目塾長を務められています。授業では、はじめ塾の教育実践、「なにもしない教育」について教えて頂きました。
 通常の教育とは、先生、大人、人生の先達が子どもに教え伝えることであり、効率化のために、大多数の人が同じ答えを出すように導きます。それも答えは絶対にあり、創り出したり、見つけ出すものではなく、探し出すもの、導き出すものです。ところが、教育は子どもたちのためのものであり、大人のためのものではありません。
 「なにもしない教育」は、一人一人を大切にし、自立を目指します。自立とは、自分の力(良さ)を発揮して、自分で道を切り拓いていく力をもって人生を歩むことです。そのために大切なことは、自分をよく知ること、例えば自分の好き嫌いを知ることです。色々知らないことを知り、色々やってみることが、自分を知ることにつながります。また、大人にとって大切なことは、子どもが失敗しても大丈夫な環境、関係性を作っていくことです、と教えて頂きました。

 次回、6月度の授業は、6月10日(日)を予定しています。第一時限は栗田亘先生、第二時限は北岡和義先生(ジャーナリスト・元日本大学教授 元読売新聞記者)をお招きします。北岡先生の講義タイトルは、「アメリカ生活27年で学んだことー多様な価値観を認めるー」です。

0 件のコメント:

コメントを投稿